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睡眠の質が悪くなると太るって本当?理学療法士が教えるその理由とは

睡眠の質が悪くなると太るって本当?理学療法士が教えるその理由とは

こんにちは。私は理学療法士としての経験を活かし、現在は主にダイエット指導を行っています。日々多くの方のダイエットをサポートする中で、「睡眠」と「体重」の関係に深く向き合ってきました。

結論から言うと、睡眠の質が悪くなると、確実に太りやすくなります。これは感覚ではなく、ホルモンや行動レベルで実際に起きていることなんです。

今回は「なぜ睡眠の質が悪くなると太りやすくなるのか?」を、専門的な視点から、そして誰でもわかる具体例を交えながら解説していきます。

① 食欲をコントロールするホルモンが乱れる

まず最初にお伝えしたいのが、「ホルモンバランスの崩れ」です。

睡眠が足りていないと、「レプチン」というホルモンの分泌が減少します。このレプチンは、食欲を抑えてくれるホルモンであり、体に「もう食べなくても大丈夫」と教えてくれる大切な存在です。

さらに怖いのが、「グレリン」という食欲を増進させるホルモンが逆に増えてしまうこと。つまり、寝不足の翌日は、無意識のうちに「もっと食べたい」という欲求が強くなるのです。

具体例:寝不足の翌朝にドカ食い

例えば、ある40代の女性クライアントさん。仕事が忙しくて、睡眠時間が毎日5時間以下。朝は「とにかく何か食べたい!」と菓子パンと甘いカフェラテをセットで摂取。その後も間食が止まらず、気づけば一日中つまみ食い…という日々が続いていました。

これがまさに、睡眠不足→ホルモンバランスの乱れ→過剰な食欲という流れなんです。

② イライラによる「ストレス食い」が増える

寝不足になると、どうしてもイライラしやすくなりますよね。これは脳の前頭前皮質という「感情をコントロールする部分」の働きが鈍くなるからです。

この結果、ちょっとしたことで怒りっぽくなったり、不安になりやすくなったりします。すると、無意識のうちに「甘いものが欲しい」「お菓子で気持ちを落ち着けたい」というストレス食いに走りやすくなるんです。

具体例:イライラして夜中にコンビニへ

30代男性のあるクライアントさんは、仕事のストレスで睡眠が浅くなり、毎日のように夜中に目が覚めてしまう生活が続いていました。すると、深夜に無性にラーメンやお菓子が食べたくなって、ついコンビニへ…。

これも脳の働きが正常じゃなくなっている証拠です。本当は体が必要としていないのに、心が欲しがる食べ物を摂ってしまう。これが太る原因のひとつとなります。

③ 活動量が自然と減る

最後にもう一つ見逃せないのが、「活動量の低下」です。

睡眠がしっかり取れていないと、身体はだるく、疲れやすくなります。その結果、無意識のうちに身体を動かす機会が減っていくんです。

具体例:車移動ばかりで1日の歩数が激減

普段は徒歩10分のスーパーまで買い物に行く50代の女性クライアントさん。

しかし、睡眠不足が続いていたある週、気づけばすべての移動を車で済ませていました。歩くこと自体が「面倒」「しんどい」と感じてしまう状態です。

活動量が減れば、当然消費カロリーも減る。摂取カロリーは増えて、消費カロリーは減る…この悪循環が、体重増加の大きな原因となります。

まとめ:睡眠は「無料のダイエット法」

ここまでの話を簡単にまとめると、睡眠の質が下がると…

食欲を抑えるホルモン(レプチン)が減る

食欲を増すホルモン(グレリン)が増える

イライラが増え、ストレス食いに走りやすくなる

身体がだるくなり、活動量が減る

この4つの要素が重なり合って、太りやすい身体になってしまうんです。

逆に言えば、しっかり眠るだけで「食欲が安定し」「ストレスにも強くなり」「自然と動けるようになる」んですよね。つまり、良質な睡眠は、誰でもすぐに始められる“無料のダイエット法”とも言えるんです。

最後に:睡眠の質を高める3つの習慣

ここまで読んで「じゃあどうすれば睡眠の質を上げられるの?」と思った方のために、すぐにできる3つの改善ポイントをお伝えします。

就寝1時間前のスマホ・テレビは控える

→ブルーライトは眠気を妨げます。

寝る前のカフェイン・アルコールは控える

→睡眠が浅くなる原因になります。

毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる習慣を作る

→体内時計が整い、深い睡眠が得られます。

「食事と運動」だけで痩せようとするのではなく、「睡眠」という体の土台から整えることが、健康的なダイエットの近道です。

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