頑張っても痩せない原因は睡眠不足?ダイエットとの深い関係を解説

頑張っても痩せない原因は睡眠不足?ダイエットとの深い関係を解説

頑張ってダイエットしているのに結果が出ないなら、原因は睡眠不足にあるかもしれません。睡眠不足は、食欲を増進させるホルモンバランスの乱れや、脂肪燃焼を妨げる代謝の低下を引き起こし、痩せにくい体質を作ってしまいます

今回は、睡眠とダイエットの深い関係を科学的な根拠を踏まえて解説。さらに、7時間睡眠の確保や寝る前のスマホ断ちなど、今日から実践できる睡眠の質を上げる具体的な習慣や、お悩み別の改善法も紹介します。

睡眠不足がダイエットの邪魔をする3つの理由

睡眠が足りないと、食欲が増え、脂肪が燃えにくくなります。

これは意志の弱さではなく、体のメカニズムによるものです。ここでは、睡眠不足がダイエットを邪魔する3つの理由を解説します。

①ホルモンバランスの乱れて食欲が増す

睡眠不足は、食欲に関連するホルモンのバランスを崩します。私たちの体内では、食欲を増やすグレリンと、食欲を抑えるレプチンが働いています。

睡眠が不足すると、グレリンの分泌量が増え、レプチンの分泌量が減るため、強い空腹を感じやすくなるでしょう。この影響で、高カロリーな食べ物への欲求が強まる傾向があります。

夜更かしした翌日にジャンクフードが無性に食べたくなるのはこのためです。睡眠をしっかり取ることは、体の内側から食欲をコントロールする基本となります。

②代謝が落ちて脂肪が燃えにくくなる

十分な睡眠は、体の代謝機能を正常に保つために不可欠です。特に睡眠中には、筋肉の修復や脂肪の分解を促す成長ホルモン活発に分泌されます。

しかし、睡眠時間が短いと成長ホルモンの分泌が減少し、基礎代謝の低下にもつながります。基礎代謝とは、生命を維持するために、何もしなくても消費されるエネルギーのことです。

睡眠不足は脂肪燃焼の促進と基礎代謝の維持というダイエットに欠かせない体の機能を妨げます同じ食事や運動をしても効果が出にくいと感じるなら、原因は睡眠にあるかもしれません。

③疲労で日中の活動量が減る

睡眠不足による最もわかりやすい影響は、日中の疲労感です。体が十分に回復していないため、エネルギーを温存しようと無意識に活動を避けるようになります。これでは、日常生活における総消費カロリーが大きく減少してしまいます。

例えば、いつもは階段を使うところをエスカレーターにしてしまうなど、無意識に楽な方を選びがちです。このような細かな活動量の低下が、体重増加につながります。

また、疲労は習慣化している運動への意欲も削いでしまいます。体を元気に動かしカロリーを消費するには、質の高い睡眠をとることが大前提です。

ダイエット効果を高める睡眠の質を上げる習慣

睡眠不足のデメリットを理解したところで、次は具体的な改善策を見ていきましょう。ただ長く眠るだけでなく睡眠の質を高めることが、ダイエット成功への近道です。

ここでは、今日からすぐに始められる、4つの簡単な習慣を紹介します。

理想の睡眠時間は7時間以上

ダイエットや健康維持のためには、まず7時間以上の睡眠時間を確保することが理想的です。多くの研究で、睡眠時間が6時間未満の人は、7〜8時間眠る人に比べて肥満リスクが高まることがわかっています。

もちろん最適な睡眠時間には個人差があるため、日中の眠気を一つの目安にしましょう。まずは7時間を基準に、ご自身の体調を観察しながらベストな時間を見つけることが重要です。

ただし、週末に寝だめをしても、乱れた睡眠リズムをリセットできません。毎日なるべく同じ時間に寝て、同じ時間に起きる習慣を心がけましょう。

就寝3時間前の食事は避ける

睡眠の質を高めるには、就寝前の食事に注意が必要です。ベッドに入る3時間前までには夕食を済ませておくのが理想とされています。睡眠中に消化活動を行っていると、体が真のリラックス状態に入れないからです。

就寝中は本来、体温が少し下がり、心身が休息モードに入ります。しかし寝る直前に食事をすると、消化のために体温が下がりにくくなり、睡眠の質が低下します。

もし夕食が遅くなる場合は、温かいスープや豆腐など、消化に良いものを少量摂るに留めましょう。この習慣は、夜間の脂肪蓄積を防ぐ上でも非常に効果的です。

寝る前のスマホ操作を止める

ベッドに入ってからのスマホ操作は、質の高い睡眠を妨げる大きな原因です。スマホ画面から発せられるブルーライトは、脳に強い覚醒作用を持っています。

この影響で、眠りを誘うホルモンメラトニンの分泌が抑制されます。メラトニンが減ると自然な眠気が訪れにくくなり、寝つきが悪くなるだけでなく、眠りも浅くなるでしょう。

理想は、就寝の1時間前にはスマホの操作を終えることです。その時間は読書やストレッチなど、心と体を落ち着かせる活動にあてましょう。

朝日を浴びて体内時計をリセットする

私たちの体には、約24時間周期のリズムを刻む体内時計が備わっています。この体内時計を正常に機能させることが夜の快眠には不可欠で、そのスイッチが朝の太陽光です。

朝、太陽の光を目から取り込むと、体内時計がリセットされます。そこから約14〜16時間後に、再び眠気を誘うメラトニンが分泌されるようセットされます。

起床後1時間以内に、15分ほど光を浴びるのが理想です。ベランダに出たり、窓際で朝食をとったりするだけでも効果があります。曇りの日でも屋外の光は十分な強さがあるため、カーテンを開ける習慣をつけましょう。

【タイプ別】あなたに合う睡眠ダイエット改善法

睡眠の質を下げてしまう原因は人それぞれです。ストレスや生活習慣など、ご自身のタイプに合ったアプローチを見つけることが改善への近道です。

ここでは、よくあるお悩み別に具体的な改善アプローチを紹介します。

①ストレスや緊張で寝つけないタイプ

日中のストレスや不安で心身が緊張していると、なかなか寝つけません。このタイプの方は、就寝前に意識的にリラックスモードへ切り替える習慣が効果的です。

おすすめは、ぬるめのお湯にゆっくり浸かることです。

また、心配事が頭から離れない場合は、ノートに全て書き出してみましょう。ジャーナリングという方法で、思考が整理され気持ちが落ち着きます。

布団に入ってからは、ゆっくりと深い呼吸を繰り返しましょう。心拍数が落ち着き、自然な眠気を誘います。

自分なりのリラックス法を見つけることが、スムーズな入眠につながります。

②ついスマホなどで夜更かしするタイプ

面白い動画やSNSで、つい夜更かししてしまう。このタイプの方は、意志の力に頼るのではなく、眠りやすい環境を物理的に作ることが重要です。

眠らざるを得ない状況を自分で設計しましょう。

まず、寝室を眠るためだけの場所と位置づけ、スマホやテレビを置かないようにします。寝室に持ち込まないルールを徹底することで、だらだらと使い続けるのを防げます。

次に、就寝時間を強制的に知らせる仕組みを作りましょう。アラームで「22:00 就寝準備」とリマインダーを設定し、鳴ったら全てのデバイスの電源を切ることを習慣にしてみてください。

③ベッドで考えごとをするタイプ

ベッドに入ると仕事や人間関係の悩みが思い浮かび、目が冴えてしまう。この状態が続くと、脳が「ベッド=考える場所」と誤って学習し、不眠の原因になります。

この悪循環を断ち切ることが大切です。

もしベッドに入って20分以上眠れない場合は、一度ベッドから出ましょう。そしてリビングで読書したりボーっとしたりするなどリラックスできることをして過ごします。決してスマホを見てはいけません。

再び眠気を感じたら、ベッドに戻ります。このように寝室で活動しないようにすると、脳は、ベッドは眠る場所と再認識するようになります。

ささいな事ですが、スムーズな入眠に効果的な方法です。

睡眠と合わせて行いたいダイエット相乗効果テク

質の高い睡眠習慣はダイエットに効果的ですが、さらに効果を高めるテクニックがあります。

睡眠と組み合わせることで、より効率的に痩せやすい体質を目指せるのです。今日からすぐに取り入れられる3つのテクニックを紹介します。

寝る前の軽いストレッチで睡眠の質アップ

就寝前の軽いストレッチは、血行を促進し筋肉の緊張をほぐす効果があります。体がリラックスすることで、より深い眠りに入りやすくなるでしょう。心地よいと感じる範囲で行うのがポイントです。

布団の上でゆっくりと呼吸をしながら手足を伸ばすだけでも効果が期待できます。特に、一日の終わりに緊張が溜まりやすい首や肩、腰回りを重点的に伸ばすとより効果的です。

ストレッチは、心と体を活動モードから休息モードへと切り替える儀式です。毎日の習慣にすることで、疲労回復も促進され、翌朝すっきりと目覚められます。

快眠をサポートする食べ物を摂る

特定の栄養素を食事に取り入れることで、体を内側から眠りやすい状態に整えられます。特に摂取したいのが、アミノ酸の一種トリプトファンです。これは睡眠ホルモンメラトニンの材料になります。

トリプトファンは、バナナ、乳製品、大豆製品、ナッツ類に豊富です。夕食に豆腐や納豆を加えたり、寝る前に温かいホットミルクを飲んだりするのがおすすめ。

ただし、これらの食品も寝る直前に摂るのは避けましょう。あくまで夕食や、就寝の1〜2時間前の補食として適量を取り入れるのがポイントです。

朝の水分補給で基礎代謝を上げる

朝の水分補給は、ダイエットの効果を高める習慣です。水を飲むと一時的に代謝が上がることが知られており、研究によっては温かい白湯より常温や冷たい水の方が効果的とも言われます。

しかし、白湯には胃腸への負担が少なく、睡眠中に失われた水分を優しく補給できるという利点があります。体を穏やかに活動モードへ切り替えるスイッチにもなるでしょう。

白湯だけで劇的に痩せるわけではありませんが、この朝の習慣は体を内側から整え、健康的なリズム作りにつながるため、非常におすすめです。

まとめ

食事制限や運動と同じくらい、質の高い睡眠はダイエットにおいて重要な要素です。睡眠不足は食欲を増進させ、代謝を低下させるなど、痩せにくい体を作る原因となります。

本記事で紹介した「7時間の睡眠」「就寝前のスマホオフ」「朝日を浴びる」といった習慣は、どれも今日から始められるものです。自分に合った改善法を取り入れ、無理なく続けてください。

睡眠を見直すことは、最も確実で健康的なダイエットへの近道です。しっかりと眠って体を整え、理想の体を手に入れましょう。

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