高反発と低反発マットレスの違い6選|腰痛・体型・寝姿勢で選ぶポイントとは

高反発と低反発マットレスの違い6選|腰痛・体型・寝姿勢で選ぶポイントとは

高反発マットレスは体をしっかり「押し返して寝返りをサポート」し、低反発マットレスは体をやさしく「包み込みフィット感を高める」のが、両者の大きな違いです。

朝起きたときの腰の痛みや、熟睡できないといった寝心地の悪さは、マットレスと自身の体格・寝姿勢が合っていないミスマッチが原因かもしれません。合わないマットレスを使い続けると、睡眠の質が下がるだけでなく、体の不調につながる恐れもあります。

この記事では、高反発と低反発の明確な違いから、自分に最適な一枚を見つけるための選び方、購入で失敗しないためのポイントまでを解説します。

高反発と低反発マットレスの基本的な違いとは? 

高反発と低反発マットレスの違いは、JIS規格で定められた反発弾性率にあります。反発弾性率とは、ウレタンフォームに鉄球を落とした際、どの程度跳ね返るかを示す数値で、この値によって寝心地や機能が大きく異なります。

・高反発マットレス:反発弾性率50%以上
・低反発マットレス:反発弾性率15%未満

ボールがよく跳ね返るように、体をしっかりと押し返す力(反発力)が強いのが、高反発の特徴です。一方で、低反発はボールが沈み込んでほとんど跳ね返らないように、体の形に合わせてゆっくりと沈み込み、包み込むようなフィット感を生み出します。

まずは、それぞれの特徴の違いを一覧で把握しましょう。

項目

高反発マットレス

低反発マットレス

寝返りのしやすさ

寝姿勢の維持

フィット感

通気性

耐久性

価格帯

体圧分散も異なり、高反発は圧力を「面」で均一に分散し、低反発は体の凹凸に合わせて沈み込み、腰やお尻など沈みやすい部位にかかる圧力を「点」で吸収・緩和します。

どちらを選ぶか迷った場合は、ご自身の体重・寝姿勢・腰痛などの体の悩みから判断しましょう。

高反発・低反発マットレスを6項目で徹底比較 

高反発マットレスと低反発マットレスの違いを、より具体的に6つの項目に分けて比較します。 

それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。

①寝心地

高反発マットレスが「かため」、低反発マットレスは「やわらかめ」の寝心地を感じられます。

体重が重い方や筋肉質な方は、体をしっかり支える高反発マットレスがおすすめです。体が沈みすぎないため、睡眠中のスムーズな寝返りをサポートします。

もし、このような方が柔らかすぎる低反発マットレスを選ぶと、腰が落ち込みすぎてしまい、かえって寝苦しく感じる原因になります。

一方で、体重が55kg以下の方や小柄な女性には、低反発のやわらかさが心地よく感じられます。逆に、このような方が硬い高反発マットレスを選ぶと、体の凹凸にフィットせず隙間が生まれ、寝心地が悪く感じる場合があります。

②体圧分散性

高反発マットレスは、体を面で均一に支え、腰など重い部分が沈みにくいのが特徴です。寝ている間も背骨のS字カーブをキープできるため、腰痛のリスクを抑えられます。

一方、低反発マットレスは体の凹凸に合わせてフィットし、肩や腰などにかかる負荷を和らげます。圧力が一点に集中しないため、睡眠中の血行不良やしびれを防いでくれます

ただし、高反発は硬すぎると横向きの際に肩や腰を圧迫し、低反発は柔らかすぎると腰が沈んで寝姿勢が崩れる原因になります。

この弱点を補うため、土台に高反発を使い表層に低反発を重ねるハイブリッド構造や、体の部位で硬さを変えたゾーニング設計のマットレスも登場しています。

③寝返りのしやすさ

寝返りのしやすさにおいては、体を押し返す力(反発力)が強い高反発マットレスが優れています

睡眠中の寝返りは、同じ姿勢で体に負担がかかり続けるのを防ぐ動作です。もし寝返りがスムーズにできないと、体のこわばりや血行不良による冷えや痛みの原因になります。

体が沈み込むフィット感が特徴の低反発マットレスは、その性質上、寝返りの際に力が必要になるので注意しましょう。特に柔らかすぎる製品は、体が固定されやすく寝返りの回数が減ってしまいます。

寝返りが多い方や、朝起きたときに体が痛いと感じる方は、マットレスの柔らかさが合わない場合もあります。

④ヘタりにくさ

一般的に、体をしっかり支える高反発マットレスは、密度が高いウレタンを使っていることが多く、耐久性が高い傾向にあります。

一方で、低反発マットレスは価格帯によって品質に差が出やすく、安価な製品にはヘタりやすいものもあるため注意が必要です。

目安として、製品情報に記載されている密度(D)の数値を確認しましょう。

密度とは、ウレタンにどれくらいの量の素材が詰まっているかを示す値です。傾向として、密度が30D以上あれば、耐久性が高くヘタりにくいとされています。

⑤通気性 

マットレスに熱や湿気がこもると、睡眠中の不快な蒸れや寝苦しさにつながります。

一般的に高反発マットレスのほうが、通気性が高いです。空気が通りやすい構造の製品が多く、睡眠中の熱や湿気を効率よく外へ逃がします。

一方で、低反発マットレスは、素材の密着度が高いため熱がこもりやすい製品が多いです。また、冬場など気温が低い部屋では素材が硬くなるという性質も持っています。

もし低反発マットレスを使用する場合は、冷感素材の敷きパッドや通気性の良いシーツを併用しましょう。

⑥価格帯

価格は主に、中材であるウレタンの品質(密度)や機能性、保証期間によって決まります。

価格帯

特徴

低価格帯(〜3万円)

密度が低くヘタりやすい傾向がある。日常的な使用では結果的にコスパが低くなりやすい。

中価格帯(3〜8万円)

耐久性と価格のバランスが良い。品質が安定しており、失敗の少ない製品が多い。

高価格帯(8万円〜)

ゾーニング設計など寝心地を高める機能が充実している。年単位で考えると、結果的にコスパがよい

安価なマットレスは密度が低いウレタンを使用している場合が多く、数年でヘタってしまう恐れがあります。ヘタったマットレスは体を正しく支えられず、腰痛の原因にもなります。

価格だけで判断せず、耐久性の目安となる密度なども確認し、長期的な視点で体に合ったマットレスを検討しましょう。

高反発・低反発マットレスが合う人・合わない人を比較

ここまで解説した特徴を踏まえ、高反発マットレスと低反発マットレスがそれぞれどのような人に合っているのかをまとめます。

ご自身の体型や睡眠の癖、悩みに合わせて、どちらのタイプがより適しているかを確認しましょう。

高反発マットレスが合う人

体をしっかりと支え、寝返りをサポートする高反発マットレスは、以下のような特徴を持つ人におすすめです。

・頻繁に寝返りする
・体重が70kg以上ある
・暑がりで睡眠中に汗をかきやすい
・反り腰の傾向がある

ただし、体重が軽い方や痩せ型の方が使うと、体が十分に沈み込まずマットレスが硬すぎると感じる場合があります。

また、フィット感が低い分、横向きで寝た際に肩や腰に圧迫を感じる場合もあるため、かための寝心地が苦手な方は注意しましょう。

低反発マットレスが合う人

体にフィットし、包み込むような寝心地の低反発マットレスは、以下のような方に適しています。

・眠れるまで姿勢を何度も変える
・横向きで寝ることが多い
・体重が55kg以下や小柄な女性
・一緒に寝ている相手の寝相が気になる

振動を吸収する性質があるため、パートナーの寝返りが気になる人にも低反発は向いています。

ただし、体重が重い方や寝返りをよくする方の場合、体が沈み込みすぎて寝苦しさや腰痛につながるので注意しましょう。

低反発・高反発がどちらも合わない人には?

高反発の硬さも、低反発の沈み込みも合わないと感じる場合は、両者の長所を組み合わせた以下のような選択肢を検討しましょう。

選択肢

どのようなものか

こんな人におすすめ

ハイブリッド構造

土台は高反発、表層は低反発など、複数の素材を組み合わせたマットレス。

サポート力とフィット感のどっちもほしい。

ゾーニング設計

腰部分は硬め、肩周りは柔らかめなど、体の部位に合わせて硬さを変えたマットレス。

横向きで寝ることが多く、肩や腰への負担が気になる。

マットレストッパー

今のマットレスの上に重ねて、寝心地を調整する補助的な寝具。

今のマットレスを「もう少しだけ」微調整したい。

このように、ハイブリッドやゾーニングのマットレスを選ぶことで、より自身の体に合った一枚を見つけやすくなります。

ただし、マットレストッパーはあくまで寝心地の微調整用です。マットレス自体がヘタっている場合は、トッパーを使っても根本的な解決にはならないため注意しましょう。

マットレス選びで失敗しないための3つのポイント

これまでの比較を踏まえ、高反発・低反発のどちらのタイプに当てはまるか、以下の表でチェックしてみましょう。あくまで大まかな目安ですが、おおよその傾向を把握できます。

あなたのタイプ

高反発

低反発

寝返りが多い

腰に不安がある

硬めの寝心地が好き

柔らかめの寝心地が好き

体格が大きい・筋肉質

体格が小さい・痩せ型

「腰に不安がある」といっても、その原因や寝姿勢によって最適なマットレスは異なります。

そのため、次に解説する「①体格」「②寝姿勢」「③腰痛」の3つのポイントを踏まえ、総合的に判断しましょう。

①自分の体格(体重)に合った硬さを選ぶ

マットレス選びの基本は、自分の体重に合った硬さの製品を選ぶことです。理想的な寝姿勢を保つには、体重が軽い方はやわらかめ、重い方はかためのマットレスが合いやすいとされています。

・55kg以下:やわらかめ〜普通
・50〜75kg:普通〜ややかため
・75kg以上:かため

体重に対してマットレスが柔らかすぎると腰が沈み込みすぎてしまい、逆に硬すぎると腰とマットレスの間に隙間ができるなど、どちらも腰痛の原因になります。

店舗で試す際は、仰向けで寝てみて腰が浮いていないか」「お尻が沈みすぎていないかの2点を確認するのがおすすめです。

②寝姿勢(仰向け・横向き)で選ぶ

寝姿勢ごとに、理想的な姿勢を保つポイントは異なります。マットレスだけでなく、枕やタオルも組み合わせて全体で調整しましょう。

・仰向け寝が多い方
仰向けでは、腰の落ち込みよりも首から背中のラインをまっすぐに保つことが大切です。体を面で支える高反発マットレスが基本ですが、硬すぎて腰が浮く場合は腰の下に薄いタオルを敷くと安定します。枕は、首から背中にかけて自然なS字カーブを保てる低めのものを選びましょう。

・横向き寝が多い方
横向きでは、肩や腰に集中する圧力を逃がすことが重要です。低反発やゾーニング設計のマットレスを選ぶと、肩の沈み込みを抑えつつ背骨をまっすぐに保てます。枕は耳から肩のラインが床と平行になる高さが理想です。

・どちらの姿勢も取る方
寝返りのしやすさとフィット感を両立するハイブリッド構造がおすすめです。体勢が変わっても腰が浮かない厚み(8〜12cm以上)や、部位ごとに硬さを変えたゾーニング設計なら、姿勢を問わず快適に眠れます。

③腰痛持ちの人は寝返りのしやすさを重視する

腰痛持ちの人は、体をしっかり押し返し、寝返りをサポートする高反発マットレスを検討しましょう。

ただし、硬すぎる高反発マットレスは、かえって腰痛が悪化する恐れがあります腰とマットレスの間に隙間がなく、長時間同じ姿勢でも辛くならない硬さのものを選びましょう。

また、反り腰でお悩みの方の場合は、隙間を埋めるように体にフィットする低反発マットレスのほうが楽に感じることもあります。

自身の腰痛のタイプを見極め、適切な硬さのマットレスを選ぶようにしましょう。

まとめ|失敗しないマットレス選びは自分の体と相談することが大切

この記事では、高反発と低反発マットレスの基本的な違いから、ご自身の体格や寝姿勢に合わせた選び方のポイントまでを解説しました。

マットレスは高い買い物になるので、実際のユーザーの口コミや返品保証、お試し期間などを積極的に活用し、慎重に選びましょう。

価格も判断基準ですが、マットレスの耐久性や保証期間、自身の体調改善まで含めた、年単位のトータルでのコスパを意識してみてください。

またミネルヴァスリープでは、寝返りのしやすさと通気性に優れた高反発タイプ、収納や手入れがしやすい三つ折りタイプなど、多様なニーズに応える製品をご用意しています。それぞれの特徴を比較し、あなたのライフスタイルに合う一枚を見つけましょう。

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