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ウレタン枕は洗濯NG!正しいお手入れ方法と洗ってしまった時の対処法
「ウレタン枕が汚れてきたけど、どうやって洗えばいいの...」
「低反発枕を間違って洗濯機に入れてしまった...」
「黄ばみや臭いが気になるけど、洗えないなら諦めるしかない...」
もしあなたがこんな悩みを抱えているなら、それはウレタン枕の正しいお手入れ方法を知らないことが原因かもしれません。
実は、ウレタン素材の枕は基本的に水洗いができません。知らずに洗濯してしまうと、枕がボロボロになったり硬くなったりして、使えなくなってしまう可能性があります。
しかし、洗えないからといって諦める必要はありません。適切なお手入れ方法を知っていれば、洗わなくても清潔な状態を保つことができます。また、万が一洗ってしまった場合でも、正しい対処をすれば劣化を最小限に抑えられる可能性があります。
この記事では、ウレタン枕が洗えない理由から、洗わずに汚れを落とす方法、誤って洗濯してしまった時の対処法まで、今すぐ実践できる内容をご紹介します。
【重要】ウレタン枕は基本的に洗濯できません
まず最初に、最も大切なことをお伝えします。ウレタン素材の枕は、基本的に水洗いができません。
「柔らかくてスポンジみたいだから洗えそう」と思われるかもしれませんが、洗濯してしまうと取り返しのつかないダメージを受けてしまいます。
洗濯するとこんなことに:
・枕が硬くなって、元の柔らかさに戻らない
・ちぎれたり、ボロボロと崩れたりする
・完全に乾くまで1週間以上かかる
・カビやダニが繁殖して、かえって不衛生になる
枕を洗う前に、必ず確認すべきポイントがあります。まずは枕本体に付いている洗濯表示タグをチェックしてください。商品の取扱説明書がある場合はそちらも見て、枕を触って素材を確認することも大切です。
以下の表で、あなたの枕が洗えるかどうか確認してみましょう。
|
確認項目 |
洗えない素材 |
洗える素材 |
|
素材の種類 |
低反発ウレタン、高反発ウレタン、そば殻、羽毛・羽根 |
パイプ、ポリエステルわた※、ビーズ※ |
|
洗濯表示 |
「水洗い不可」のマーク |
「手洗い可」「洗濯機可」のマーク |
※ポリエステルわたとビーズは、商品によって洗えないものもあるため、必ず洗濯表示を確認してください。
ウレタン素材の枕には「洗濯不可」のマークが付いているはず。まずはタグを確認することが大切です。
ウレタン枕が洗濯できない3つの理由

「なぜウレタン枕は洗えないの?」と疑問に思う方も多いでしょう。ここでは、ウレタン素材の特性から洗濯NGの理由を詳しく解説します。
理由1:水はけが悪く、乾くのに1週間以上かかる
ウレタンはスポンジ状の構造で水を吸収しやすいのですが、硬い膜があるため水が通過しにくい素材です。
一度水を含んでしまうと、膜の中に水分が溜まってしまい、なかなか乾きません。完全に乾かすには、季節によって異なりますが5日〜1週間程度かかることもあります。
乾かない状態が続くと:
・カビが生えやすくなる
・ダニや雑菌が繁殖する
・嫌な臭いの原因になる
・衛生的に良くない状態が続く
「清潔にしたくて洗ったのに、かえって不衛生になってしまった」という事態になりかねません。
理由2:加水分解で枕が壊れてしまう
ウレタン素材は水を含むと「加水分解」という化学反応を起こします。
これは素材そのものが変質してしまう現象で、一度起こると元には戻りません。加水分解が進むと、枕がちぎれたり、ボロボロと崩れたりしてしまいます。
加水分解による変化:
・素材が脆くなる
・ちぎれやすくなる
・粉状に崩れることもある
・元の状態には二度と戻らない
水を含んだウレタンは強度が大幅に低下するため、絞ろうとしただけで破れてしまうこともあります。
理由3:硬くなって寝心地が悪くなる
洗濯によってウレタンの最大の魅力である「適度な弾力性」が失われてしまいます。
低反発枕の柔らかさや、頭にフィットする感触は、ウレタン特有の構造によるもの。一度洗濯してしまうと、以前より硬くなってしまい、本来の寝心地が失われます。
実際の変化:
・「ふんわり」が「カチカチ」に
・頭にフィットしなくなる
・快適に眠れなくなる
・枕としての機能が失われる
「お気に入りの枕だったのに、洗ったら使えなくなった」という後悔をしないためにも、水洗いは避けましょう。
【洗える例外】特殊加工のウレタン枕もある

基本的にウレタン枕は洗濯できませんが、最近では特殊な加工を施した「洗えるウレタン枕」も一部登場しています。
特殊な加工として、「無膜ウレタン」「爆膜ウレタン」「脱膜加工」「マイクロセル構造」などがあります。これらは、通常のウレタンにある硬い膜を破裂させる加工を施しているため、水はけが良く、乾燥しやすくなっています。
ただし「洗える枕」と表示があっても、必ず以下を確認してください。
購入前の確認ポイント:
・洗濯表示タグに「手洗い可」または「洗濯機可」のマークがあるか
・品質表示に「無膜ウレタン」「爆膜ウレタン」と明記されているか
・取扱説明書に洗濯方法が記載されているか
・乾燥機の使用可否
「洗える」と書いてあっても、品質表示に特殊加工の記載がない場合は注意が必要です。
洗濯によってウレタンの密度が下がり、品質が落ちる可能性があります。不安な場合は、購入前にメーカーに問い合わせることをおすすめします。
洗わずにできる!ウレタン枕の正しいお手入れ方法

洗濯しなくても、適切なお手入れで枕を清潔に保つことができます。
ここでは、日常的にできる4つの方法をご紹介します。どの方法も特別な道具は必要なく、今日から始められるものばかりです。
陰干しで湿気を取り除く【最も効果的】
ウレタン枕のお手入れで最も大切なのが「陰干し」です。
陰干しをすることで、湿気を取り除き、カビの繁殖を防ぎ、ダニの繁殖を抑え、嫌な臭いを防ぐ効果があります。
まずは枕カバーを外し、風通しの良い日陰に置いてください。枕専用ハンガーまたは平干し用ネットを使うと型崩れを防げます。両面がしっかり乾くように、途中でひっくり返しながら2〜3時間程度干しましょう。
ただし、絶対に避けなければならないのが天日干しです。直射日光に当てたり、紫外線に長時間さらしたりしないでください。ウレタンは紫外線に弱い素材で、天日干しをすると劣化が進んでしまうため、必ず日陰で干すことが大切です。
干す頻度の目安:
・理想:週に1回
・最低でも:月に2回
・湿気の多い季節:週に2回
「今日は天気が良い」という日は、リビングや寝室の日陰に立てかけておくだけでも効果があります。
枕カバーをこまめに洗濯する
本体が洗えない分、枕カバーのこまめな洗濯が重要です。
枕カバーには、汗、皮脂、フケ、よだれなど、様々な汚れが付着しています。これらの汚れを放置すると、枕本体にまで染み込んでしまいます。夏や湿気の多い季節は2〜3日に1回、それ以外の季節は週に1回、最低でも週に1回は洗濯しましょう。
洗濯の際は、洗濯表示を必ず確認してください。乾燥機は生地が縮んで枕が入らなくなる可能性があるため避け、平干しまたは吊り干しで乾かします。枕カバーは2〜3枚用意して交換しやすくしておくと便利です。
忙しくて頻繁に洗えない方は、枕カバーの上にタオルを敷くと、汚れが枕本体に染み込むのを防げます。タオルなら毎日気軽に交換できるので、忙しい方にもおすすめです。
黄ばみや汚れは硬く絞ったタオルで拭く
枕本体に黄ばみや汚れが付いてしまった場合でも、水洗いはNGです。硬く絞ったタオルで部分的に拭き取ることで、汚れを落とすことができます。
準備するもの:
・清潔なタオル2枚
・洗面器またはバケツ
・40℃程度のぬるま湯
・中性洗剤(エマールなどのおしゃれ着洗い用)
拭き取りの手順:
1.洗面器にぬるま湯を入れる
2.中性洗剤を大さじ1杯入れて溶かす
3.タオルを洗剤液に浸して、固く絞る
4.汚れた部分を優しく叩くように拭く
5.もう1枚の乾いたタオルで水分を拭き取る
6.風通しの良い場所で陰干しする
注意点として、ゴシゴシこすらないこと、タオルは必ず固く絞ること、洗剤液を直接かけないこと、拭いた後は必ず陰干しで完全に乾かすことを守ってください。
「ちょっと濡らすだけなら大丈夫」と思うかもしれませんが、少量の水分でも劣化の原因になります。タオルはしっかり絞ることが大切です。
消臭・除菌スプレーを活用する
枕カバーを洗っても臭いが気になる場合は、除菌・消臭スプレーが効果的です。
枕カバーを外し、枕本体にスプレーを軽く吹きかけてください。その後すぐに扇風機やサーキュレーターで風を当て、完全に乾くまで陰干しします。
重要なポイントは、スプレーは「軽く」吹きかけること、必ず素早く乾燥させること、少しでも水分が残っていたらさらに陰干しすることです。除菌・消臭スプレーの多くは、乾いた時に臭いの元を包み込んで蒸発させる特性があります。そのため、素早く乾燥させることが効果を発揮するコツです。
水分が残ったまま放置すると、ウレタンの劣化につながります。「スプレーしたら即乾燥」を徹底してください。
【緊急対応】ウレタン枕を洗ってしまった時の対処法

「知らずに洗濯機に入れてしまった...」「うっかり水に濡らしてしまった...」
そんな時でも、適切な対処をすれば劣化を最小限に抑えられる可能性があります。洗ってしまった場合、時間との戦いです。水を含んだ状態が長く続くほど、加水分解が進んでしまいます。気づいた時点で、すぐに対処を始めてください。
対処の手順:
1.枕カバーをかけて保護する:
・濡れた枕に優しくカバーをかける
・無理に押し込まず、型崩れを防ぐ
2.手で優しく水分を押し出す:
・枕を平らに置き、両手で上から優しく押す
・ねじったり揉んだりせず、「押して離す」を繰り返す
・洗濯機の脱水機能は使わない
3.風通しの良い日陰で陰干しする:
・平干し用ネットまたは枕専用ハンガーを使う
・扇風機で風を当て、数時間ごとにひっくり返す
・完全に乾くまで5日〜1週間かかる
絶対に避けること:
・天日干し(紫外線で劣化)
・ドライヤー・乾燥機(高温で変形)
・ストーブやヒーターの近く(火災の危険)
見た目は乾いていても、中に水分が残っている場合があります。手で押してみて冷たさを感じないか、重さが元に戻っているか、嫌な臭いがしないかをチェックしてください。
1週間以上しっかり乾燥させても、硬くなったり変形したりボロボロと崩れるような状態になった場合は、残念ながら買い替えのタイミングです。
「せっかくの枕だから...」と無理に使い続けても、快適な睡眠は得られません。思い切って新しい枕に買い替えることをおすすめします。
ウレタン枕の黄ばみ・臭いの原因と予防法

枕の黄ばみや臭いは、人間の体から出る様々な成分が酸化することで発生します。
主な原因は、皮脂の酸化、汗に含まれる色素成分、よだれ、枕カバーに残った洗剤の酸化、直射日光による日焼けなどです。
特に汗をかきやすい人や、皮脂の分泌が多い人(特に男性)、洗顔せずに寝てしまうことが多い人は黄ばみやすい傾向があります。
新品のウレタン枕から化学的な臭いがすることがありますが、これは製造時に使用する「アミン」という化学物質の臭いです。2〜3日陰干しして、枕を手で押して中の空気を入れ替えれば、自然に臭いは飛んでいきます。
黄ばみ・臭いを予防する方法:
・枕カバーを週に1回以上洗濯する(汗をかきやすい季節は2〜3日に1回)
・枕カバーの上にタオルを敷いて毎日交換する
・週に1回は陰干しして湿気を溜め込まない
・寝る前に髪を洗って頭皮の皮脂や汚れを落とす
・通気性の良い防水枕カバーを使う
これらの予防法を実践することで、黄ばみや臭いの発生を大幅に減らすことができます。
ウレタン枕の寿命と買い替えのタイミング

どんなに丁寧にお手入れをしていても、枕には寿命があります。適切なタイミングで買い替えることも、快適な睡眠を保つために大切です。
ウレタン枕の一般的な寿命は2〜3年です。毎日使う枕には、頭の重み(約5〜6kg)がかかり続けています。時間とともに素材が潰れ、高さやフィット感が徐々に変化していきます。
|
素材 |
平均寿命 |
|
そば殻 |
1〜2年 |
|
ポリエステルわた |
2〜3年 |
|
低反発ウレタン |
2〜3年 |
|
高反発ウレタン |
3〜4年 |
|
パイプ・ビーズ |
3〜5年 |
|
羽毛 |
3〜5年 |
以下のような変化が現れたら、買い替えを検討するタイミングです。
買い替えのサイン:
・5年以上使っている
・枕がヘタってきた、高さが低くなった
・以前はなかった肩こりや首の痛みが出るようになった
・朝起きると枕がずれている、頭が落ちている
・弾力がなくなり、頭が沈み込みすぎる
・黄ばみや臭いがひどく、お手入れでは改善しない
・表面がボロボロしてきた
1つでも当てはまれば、そろそろ買い替え時です。
適切なお手入れで、寿命を延ばすことができます。週に1回は陰干しする、枕カバーをこまめに洗う、直射日光に当てない、濡らさない、枕専用ハンガーで型崩れを防ぐことを心がけましょう。
「まだ使えるから」と無理に使い続けても、快適な睡眠は得られません。適切なタイミングで買い替えることも大切です。
まとめ|正しいお手入れでウレタン枕を清潔に保とう
ウレタン枕は基本的に水洗いができませんが、適切なお手入れをすれば清潔な状態を保つことができます。
ウレタン枕は水洗いNG(加水分解・硬化・長期乾燥のリスク)ですが、洗わずにできるお手入れ法として、陰干し、カバー洗濯、部分拭き、消臭スプレーがあります。
洗ってしまった場合も適切な対処で劣化を最小限にでき、寿命は2〜3年で、適切なタイミングで買い替えることも大切です。
大切なのは、「洗えないから諦める」のではなく、「洗わずに清潔を保つ方法」を知ることです。
今夜から始められる3つのこと:
・枕の洗濯表示タグを確認する
・枕カバーを洗濯する習慣をつける
・週に1回、風通しの良い日陰で陰干しする
適切なお手入れを続けることで、お気に入りの枕を長く快適に使い続けることができます。今夜から無理のない範囲で実践してみてください。清潔な枕で、質の良い睡眠を手に入れましょう。
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