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寝返りが多くて疲れる5つの原因と今すぐできる改善方法
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「朝起きると布団がぐちゃぐちゃで、枕がどこかに飛んでいる...」
「パートナーから『夜中ずっと動いてる』と指摘された...」
「たっぷり寝たはずなのに、朝から体が重くて疲れが取れない...」
もしあなたがこんな悩みを抱えているなら、それは寝返りが多すぎることが原因かもしれません。
多くの人が見落としているのが「寝返りの回数」ではなく「寝返りの質」です。適切な寝返りなら20〜30回でも熟睡できますが、寝苦しさによる寝返りは50回以上になることもあり、これが疲労の原因になります。
この記事では、寝返りが多くて疲れる5つの原因を特定し、今夜から実践できる改善方法をご紹介します。まずは自己診断チェックリストで、あなたの状態を確認してみましょう。
寝返りが多くて疲れる7つのサイン

まずは、あなたの寝返りが「適切な回数」なのか「多すぎる回数」なのかを確認しましょう。以下のチェックリストで3つ以上当てはまる場合は、寝返りの質に問題がある可能性が高いです。
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チェック項目 |
あなたは? |
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☑ 朝起きると布団がぐちゃぐちゃになっている |
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☑ 枕が頭から外れている、またはベッドの下に落ちている |
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☑ パートナーから「夜中に動きすぎ」と指摘された |
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☑ 朝起きた時に腰や肩が痛い、体が重い |
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☑ 夜中に何度も目が覚める、熟睡感がない |
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☑ 睡眠時間は十分なのに疲れが取れない |
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☑ 睡眠アプリで「寝返り40回以上」と記録される |
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判定結果:
1〜2個: 寝返りの質はおおむね良好です
3〜4個: 寝返りが多すぎる可能性があり、改善が必要です
5個以上: 早急な対処が必要です
これらは体が「今の睡眠環境は快適でない」と無意識に訴えているサインです。合わない寝具を使っていると、体の違和感を調整しようとして必要以上に寝返りを繰り返してしまいます。
寝返りの役割と理想的な回数

寝返りがどんな役割を果たしているのか、何回が理想なのかを知らない方も多いものです。まずは寝返りの基本を理解しましょう。
寝返りが果たす4つの重要な役割
寝返りは睡眠中に体をメンテナンスする「夜の整体」のような役割を担っています。
1.血行促進・体液循環の改善: 圧迫部位を変え、血液循環を促します
2.温湿度調整: 布団内の空気を入れ替え、快適な温度(約33℃)と湿度(約50%)を保ちます
3.体の歪み調整: 日中の姿勢で歪んだ体をリセットし、バランスを整えます
4.睡眠周期の調整: ノンレム睡眠とレム睡眠の切り替えに関わり、質の高い睡眠リズムを作り出します
理想的な寝返りの回数
一般的な大人の場合、一晩に20〜30回の寝返りを打つのが理想的とされています。
寝返りの回数と状態:
・40回以上: 多すぎる可能性あり(体が寝具や環境に適応できていない状態)
・20〜30回: 理想的(適切な体のメンテナンスができている状態)
・10回以下: 少なすぎる(血行不良や体の歪みが生じやすい状態)
ただし、回数だけで判断するのは危険です。重要なのは「朝の目覚めの質」。寝返りが多くても朝スッキリ目覚められるなら問題ありませんが、疲労感がある場合は改善が必要です。
寝返りが多くて疲れる5つの原因

寝返りが多すぎて疲れが取れない場合、必ず原因があります。ここでは主な5つの原因を詳しく解説します。
原因1:マットレスや敷布団が体に合っていない
寝返りが多すぎる原因の約70%は、寝具の不適合によるものです。特にマットレスや敷布団が体に合っていないと、無意識に「楽な場所」を探して動き続けてしまいます。
具体的には以下の3つのパターンがあります。
硬すぎる場合:
体の出っ張った部分(肩、腰、かかと)だけに圧力が集中し、痛みや不快感から寝返りが増加。特に横向き寝の場合、肩への圧迫が強くなります。
柔らかすぎる場合:
体が沈み込みすぎて腰が「くの字」に曲がった状態に。無意識に楽な姿勢を探して寝返りを繰り返してしまいます。
ヘタっている場合(5年以上使用):
よく寝る部分が凹んでしまい、寝返りで補正しようとして回数が増加。買い替えの目安となるサインです。
チェックポイント:
・朝起きた時に腰や肩が痛い
・マットレスの購入から5年以上経過している
・仰向けで寝ると腰が浮く、または沈み込みすぎる
・横向きで寝ると肩が圧迫される
原因2:枕の高さやサイズが合っていない
マットレスと同様に重要なのが枕です。枕が合わないと首や肩に負担がかかり、楽な位置を探して無意識に頭を動かし続けます。
枕の問題は主に2つ。
高さの問題:
高すぎると顎が引けて首に負担がかかり、呼吸もしにくくなります。低すぎると首のカーブが保てず、頭が安定しません。
サイズの問題:
標準サイズ(43×63cm)では寝返りで頭が落ちてしまい、無意識に枕の上に戻ろうとして寝返りが増加。意外と見落とされがちなポイントです。
チェックポイント:
・朝起きると枕がずれている、またはベッドから落ちている
・手や腕を枕の下に入れて寝ている
・朝起きた時に首や肩が痛い
原因3:寝床内の温度や湿度が不快
「暑くて寝苦しい」「布団が重くて圧迫される」など、温度や湿度の問題も寝返りを増やす大きな要因です。
暑さで不快になると、涼しい場所を探して寝返りが増加し、汗で布団が蒸れると不快感が増して寝返りが多くなります。重い布団は寝返りの妨げになるだけでなく、圧迫感から無意識に動こうとします。
理想的な寝床内環境:
・温度:約33℃
・湿度:約50%
・掛け布団:軽くて暖かい素材(羽毛など)
チェックポイント:
・夜中に暑くて目が覚める
・朝起きると汗をかいている
・掛け布団を無意識に蹴飛ばしている
原因4:筋肉の緊張や体の歪み
日中の姿勢やストレスによって筋肉が緊張していると、寝ている間も体がリラックスできません。その結果、寝返りが増えてしまいます。
主な要因は以下の3つ。
デスクワークによる硬直:
長時間同じ姿勢でパソコン作業をしていると、肩甲骨周りや腰の筋肉が凝り固まります。この状態で寝ると、無意識に楽な姿勢を探して寝返りが増加するでしょう。
ストレスや自律神経の乱れ:
精神的なストレスがあると、寝ている間も交感神経が優位に。体が緊張状態を保ち、リラックスできません。
運動不足:
適度な運動がないと血行が悪くなり、筋肉が硬化。寝ている間に体が「動いて血流を改善しよう」として寝返りが増えます。
チェックポイント:
・デスクワークが1日6時間以上
・肩こりや腰痛が慢性化している
・寝る前も仕事のことを考えてしまう
・ほとんど運動をしていない
原因5:睡眠時の疾患の可能性
稀なケースですが、睡眠中の異常な動きが疾患によるものである可能性もあります。
代表的な疾患は以下の3つ。
レム睡眠行動障害:
夢の内容を実際に行動に移してしまう疾患
むずむず脚症候群:
脚に不快感がありじっとしていられなくなる疾患
睡眠時無呼吸症候群:
睡眠中に呼吸が止まることで、無意識に体を動かして気道を確保しようとする状態
受診の目安:
・パートナーを叩いたり蹴ったりしてしまう
・夜中に叫んだり、激しく動いたりする
・いびきがひどく、日中の眠気が強い
・脚に虫が這うような不快感がある
これらに該当する場合は睡眠外来や神経内科の受診を検討してください。ただし、ほとんどのケースは寝具や環境の問題です。
寝返りを改善する5つの方法

原因が分かったところで、次は具体的な改善方法です。ここでは、今夜から試せる方法から、根本的な解決策まで段階的にご紹介します。
方法1:寝る前のストレッチで筋肉をほぐす
最もお金がかからず、今夜からすぐに始められるのがストレッチです。寝る前に1〜2分のストレッチをするだけで、筋肉の緊張がほぐれ、寝返りの質が改善します。
おすすめのストレッチ:
・肩甲骨ほぐし(1分): 両手を肩に置き、肘で大きく円を描くように回す(前回し10回、後ろ回し10回)
・腰ひねりストレッチ(1分): 仰向けに寝て両膝を立て、両膝を揃えたまま左右にゆっくり倒す(各10秒キープ×3回)
・背伸び+深呼吸(1分): 仰向けに寝て両手を頭の上に伸ばし、体全体を伸ばしながらゆっくり深呼吸を5回
ストレッチは「痛気持ちいい」程度で十分です。無理に伸ばすと逆効果になるため、リラックスして行いましょう。
方法2:バスタオルでマットレスの硬さを調整する
「マットレスが合わないかも」と感じても、すぐに買い替えるのは難しいものです。そんな時は、バスタオルを使った応急処置が効果的です。
硬すぎる場合の対処法:
バスタオル2〜3枚をマットレスの上に重ねて敷き、その上にシーツをかけます。横になって肩や腰の沈み込み具合を確認し、硬さが適切になるまでタオルの枚数を調整しましょう。
柔らかすぎる場合の対処法:
マットレスの下にすのこや硬質ボードを敷き、マットレス全体の沈み込みを抑えます。
ただし、この方法は一時的な対処法です。5年以上使用している場合は買い替えを検討しましょう。
方法3:枕の高さとサイズを見直す
枕が合わないと感じたら、まずは今の枕の使い方を確認してみましょう。正しい位置で使うだけで、驚くほど改善することがあります。
枕の正しい使い方:
枕を肩ギリギリまで引き寄せ、肩が枕に触れている状態で使用します。後頭部だけでなく、首もしっかり支えることが重要です。
バスタオルで高さ調整:
・高すぎる場合: 枕の中の詰め物を取り出す、またはバスタオルのみで代用
・低すぎる場合: バスタオルを2つ折りまたは4つ折りにして枕の下に敷き、微調整
朝起きた時に枕から頭が落ちていることが多い場合、枕のサイズが小さすぎます。横幅60cm以上の枕がおすすめです。
方法4:寝室の温度と湿度を最適化する
寝床内の環境を整えることで、不快感による寝返りを大幅に減らせます。
理想的な寝室環境:
・温度(夏25〜27℃、冬16〜19℃)
・寝床内温度(約33℃)
・湿度(50〜60%)
夏場の対策:
エアコンを28℃に設定してタイマー運転、扇風機を壁に向けて間接的に風を送る、冷感素材のシーツや枕カバーを使用、重い掛け布団を軽いタオルケットに変更
冬場の対策:
寝る1時間前から暖房で部屋を温める、就寝時は暖房を切るか弱運転に、羽毛布団など軽くて暖かい素材を使用、湯たんぽで布団内を事前に温める
掛け布団は「軽くて暖かい」ものが理想です。重い布団は寝返りの妨げになるだけでなく、圧迫感から寝返りが増える原因になります。
方法5:生活習慣を見直す
寝具や環境を整えても改善しない場合、日中の生活習慣が原因かもしれません。
改善すべき生活習慣:
・寝る2時間前からスマホ・パソコンを控える
・寝る1時間前に入浴する(38〜40℃のぬるめのお湯に10〜15分)
・日中に適度な運動をする、カフェインは15時以降控える
・就寝の3時間前までに夕食を済ませる
すぐに始められる習慣:
・朝起きたら太陽の光を浴びる
・寝る前に部屋を完全に暗くする
・毎日同じ時間に寝る・起きる
マットレスと枕の選び方のポイント

応急処置で改善しない場合、寝具の買い替えを検討しましょう。ここでは、寝返りを改善するための寝具選びのポイントをご紹介します。
マットレス選びの3つのポイント
寝返りが多い人に最適なマットレスの条件は以下の3つです。
1.適度な反発力がある: 体が沈み込みすぎず、寝返りが打ちやすい硬さが重要
2.体圧分散性に優れている: 一部に圧力が集中せず、体全体で体重を支える構造が理想的
3.通気性が良い: 蒸れにくく、温度調整がしやすい素材
おすすめの素材:
・高反発ウレタン
・高反発ファイバー
・ポケットコイル
・ゾーニング設計マットレス
枕選びの3つのポイント
寝返りが多い人に最適な枕の条件は以下の3つです。
1.自分に合った高さ: 仰向けで寝た時、目線が天井よりわずかに下に向く高さが理想的です
2.十分なサイズ: 横幅60cm以上の枕を選ぶと、寝返りを打っても頭が枕から落ちません
3.適度な反発力: 頭が沈み込みすぎず、寝返りがスムーズに打てる素材を選びましょう
おすすめの素材:
・ 高反発ウレタン
・パイプ・ビーズ
・そば殻
買い替え時期の目安
寝具には寿命があります。適切なタイミングで買い替えることも、快適な睡眠を保つために大切です。
マットレスの平均寿命:
・ボンネルコイル・ポケットコイル(7〜10年)
・高反発ウレタン・高反発ファイバー(5〜8年)
枕の平均寿命:
・ ウレタン(2〜3年)
・パイプ・ビーズ(3〜5年)
買い替えのサイン:
・ 5年以上使っている
・目に見えて凹んでいる部分がある
・朝起きると体が痛い
1つでも当てはまれば、そろそろ買い替え時です。
まとめ:寝返りの質を改善して朝から元気な毎日を
寝返りが多くて疲れる原因は、ほとんどの場合、寝具の不適合や環境の問題です。
寝返りは回数ではなく質が大切です。適切な寝返りが打てる環境を整えることで、朝の疲労感が軽減され、質の高い睡眠を手に入れられます。
今夜から始められる3つのこと:
・7つのチェックリストで自分の状態を確認する
・寝る前に5分のストレッチで筋肉をほぐす
・バスタオルでマットレスや枕の高さを調整する
小さな改善の積み重ねが、大きな変化をもたらします。まずは今夜から、無理のない範囲で実践してみてください。
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