寝返りが少ないと寝ても疲れが取れない|原因と今日からできる改善策

寝返りが少ないと寝ても疲れが取れない|原因と今日からできる改善策

「ぐっすり寝たはずなのに、朝から体が痛い」
「毎日8時間寝ても、なぜか疲れが抜けない」

そのような悩みの原因は、睡眠中の寝返りの少なさにあるかもしれません。

寝返りは、質の高い睡眠に欠かせない体の自然な動きです。もし、この動きが少ないと、朝の不調につながる可能性があります。

この記事では、寝返りの重要な役割や回数が少なくなる原因、今日から実践できる具体的な改善策を分かりやすく解説します。ご自身の睡眠を見直し、スッキリとした朝を迎えるための方法を見つけてください。

そもそも寝返りはなぜ必要?少ないことのデメリット

私たちは、一晩のうちに平均して20回ほど無意識に寝返りを打っています。この動きは、快適な睡眠を維持し、体をメンテナンスするための重要な生理現象です。

もし寝返りが少ないと、体にさまざまな負担がかかり、睡眠の質が低下する原因となります。ここでは、寝返りが持つ3つの基本的な役割を解説します。

体にかかる負担を分散させる役割

寝返りの最も重要な役割は、睡眠中に体へかかる圧力を分散させることです。私たちは眠っている間、同じ姿勢を続けると体の特定の部分に体重が集中し、特に腰や肩甲骨周りには大きな負担がかかり続けます。

この状態が続くと、血行が悪くなり、痛みやコリ、体の歪みの原因となります。こうした体への負担を睡眠中にリセットしてくれるのが、寝返りです。 寝返りは圧力がかかった場所を解放し、負担を他の部分へ移動させます。

つまり、寝返りは体へのダメージを最小限に抑え、快適な睡眠を保つために重要な動きです。

睡眠中の体温を調節する役割

寝返りには、快適な睡眠環境を保つための体温調節機能も備わっています。

そもそも人は、眠りに入るときに体の深部体温を少し下げます。これが、脳と体を休息モードに切り替えるための重要な仕組みです。

しかし、ずっと同じ姿勢でいると、マットレスと体の間に熱や湿気がこもってしまいます。この不快感は、眠りを浅くする大きな原因の1つです。

寝返りは、こもった熱を逃がし、寝具内に空気の通り道を作る役割を果たします。これにより、睡眠に最適な温度と湿度を保ち、朝までぐっすり眠れる環境が維持されます。

血行を促進し身体の回復を助ける役割

体を回復させるためにも、寝返りは重要です。同じ姿勢で眠り続けると、体の下になった部分の血管が圧迫され、血行が滞りがちになります。

血液は、体中に酸素や栄養素を運び、疲労物質を回収する重要な役割を担っています。この大切な血液の流れを、睡眠中にサポートするのが寝返りです。 寝返りを打つことで血管への圧迫を解消し、全身の血の巡りをスムーズにします。

血行が促進されると、日中に酷使した筋肉の修復が効率的に進みます。

あなたの寝返りが少ない原因は?チェックリストで確認

寝返りが少ない原因は、一つだけではありません。環境的な要因から、ご自身の身体の状態、さらには生活習慣まで、さまざまな要素が複雑に絡み合っています。原因が分からなければ、正しい対策はできません。

ここでは、寝返りが少なくなる主な原因を3つのカテゴリーに分けました。ご自身の状況と照らし合わせながら、当てはまる項目がないかチェックしてみましょう。

原因①:体に合わない寝具を使っている

スムーズな寝返りを最も妨げやすいのが、体に合っていない寝具です。特にマットレスと枕は、睡眠中の体の動きに直接影響を与えます。

例えば、柔らかすぎるマットレスは体が沈み込みすぎて、寝返りを打つのに余計な力が必要です。逆に硬すぎると、腰や肩が圧迫されて痛みを感じ、無意識に体を動かさなくなります。

また、枕の高さが合っていない場合も同様です。高すぎる枕や低すぎる枕は首に負担をかけ、スムーズな体の回転を妨げる原因になります。

ご自身の寝具に当てはまる点がないか、以下の項目で確認してみましょう。

・マットレスが柔らかく、お尻が沈み込む感じがする
・朝起きると、腰や肩など体の特定の部分が痛い
・枕が高すぎる、または低すぎて首が疲れる

一つでも当てはまる項目があれば、お使いの寝具が体に合っていないサインです。まずは本記事の後半で解説する、寝具の選び方を確認してみましょう。

原因②:身体の歪みや筋力の低下

日中の過ごし方によって生じる身体の変化も、寝返りを少なくする一因です。

特に、長時間同じ姿勢でいるデスクワークは、筋肉の緊張や体の歪みを引き起こします。背中や腰回りの筋肉が硬くなると、体をひねる動作自体がスムーズにできなくなります。

また、運動不足による体幹の筋力低下も、寝返りが少なくなる原因の一つです。寝返りは、腹筋や背筋といった体幹の筋肉を使って行われるため、これらの筋力が衰えると、体を持ち上げて回転させる力が不足してしまいます。

ご自身の生活習慣に当てはまるものがないか、以下の項目で確認してみましょう。

・日常的に運動する習慣がない
・デスクワークなど、長時間同じ姿勢でいることが多い
・猫背など、姿勢の悪さを自覚している

これらの習慣は、無意識のうちに体を硬くさせています。記事の後半で紹介する簡単なストレッチで、体をほぐすことから始めましょう。

原因③:ストレスや疲労による睡眠の質の低下

精神的な状態も、睡眠中の体の動きに大きく影響を及ぼします。強いストレスや過度な疲労は、自律神経のバランスを乱す原因です。

自律神経のうち、体を活動的にする交感神経が優位なままだと、心身が緊張状態から抜け出せません。その結果、眠りが浅くなり、筋肉もこわばったままになります。

体が十分にリラックスできていないため、本来であれば自然に行われるはずの寝返りが抑制されてしまうのです。寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めるといった症状がある場合は、このタイプに当てはまる可能性があります。

ご自身の最近の状態について、以下の項目で確認してみましょう。

・最近、強いストレスを感じている
・寝つきが悪い、または夜中に何度も目が覚める
・日中、常に疲労感やだるさを感じる

当てはまる方は、心と体が緊張しているサインです。まずは体をリラックスさせる呼吸法など、手軽にできる対策から試してみましょう。

寝返り改善できる簡単ストレッチ法

寝返りが少ない原因として、体の硬さが挙げられます。特にデスクワークなどで固まりがちな骨盤周りや背中の筋肉をほぐすことは、スムーズな寝返りのためにとても重要です。

ここでは、就寝前に布団の上でできる簡単なストレッチを3つ紹介します。

毎日5分程度で構いませんので、リラックスしながら続けてみてください。筋肉の緊張を和らげることで、体が自然に動きたくなる状態を作りましょう。

就寝前におすすめ!骨盤周りをほぐすストレッチ

寝返りの中心的な動きは、腰をひねる動作です。そのため、骨盤周りの筋肉の柔軟性が非常に重要になります。長時間座りっぱなしで硬くなったお尻や股関節周りの筋肉を、やさしく伸ばしていきましょう。

このストレッチは、腰痛の緩和にも効果が期待できます。仰向けに寝て両膝を立て、片方の足首を反対側の膝の上に乗せてください。

そして、下の足の太もも裏を手で抱え、ゆっくりと胸に引き寄せます。お尻の筋肉が伸びているのを感じながら、20秒ほどキープしましょう。反対側も同様に行います。

ガチガチの背中と肩甲骨をほぐすストレッチ

背中や肩甲骨周りが硬いと、上半身の回転がスムーズに行えません。特に猫背気味の方は、この部分の筋肉が常に緊張しています。

背骨の柔軟性を取り戻し、肩甲骨の可動域を広げるストレッチを取り入れましょう。まず、四つん這いの姿勢になります。

息を吸いながら背中を反らせて顔を上げてください。次に、息を吐きながら背中を丸め、おへそを覗き込むようにします。この動きを、呼吸に合わせてゆっくりと10回ほど繰り返すのがポイントです。

全身の緊張を和らげるリラックス呼吸法

体の緊張を解くには、意識的に呼吸を整えることも有効です。深い呼吸は、心身をリラックスさせる副交感神経を優位にし、筋肉のこわばりを和らげてくれます。

ストレッチの仕上げとして、腹式呼吸を行いましょう。仰向けに寝て膝を軽く立て、両手をお腹の上に置きます。まず、口からゆっくりと体の中の空気をすべて吐き出します。

次に、鼻から4秒かけて息を吸い込み、お腹が膨らむのを感じてください。そして、8秒かけて口からゆっくりと息を吐ききり、お腹がへこんでいくのを確認します。

これを5分ほど繰り返すと、心も体も落ち着き、自然な眠りに入りやすくなります。

寝返りを改善する寝具の選び方【マットレス・枕】

寝具が体に合っていなければスムーズな寝返りは妨げられてしまいます。ここでは、寝返りをサポートするマットレスと枕の選び方、そして意外と見落としがちな寝間着のポイントについて解説します。

睡眠の質を保つためにも、自分の体に合ったものを選ぶことが重要です。

マットレスは「適度な硬さ」と「反発力」で選ぶ

マットレス選びで最も重要なのは、適度な硬さ高い反発力です。体が沈み込みすぎる柔らかいマットレスは、寝返りのたびに大きな力が必要になり、無意識に動きを避けるようになります。

逆に、硬すぎるマットレスは腰や肩に圧力が集中し、痛みの原因となります。理想は、立った時の自然な背骨のS字カーブを、横になった時も維持できる硬さです。

また、体を押し返してくれる高反発の素材は、少ない力で体を回転させるのを助けてくれます。実際に店舗で試し、軽く寝返りが打てるかを確認するのがおすすめです。

枕は「理想的な高さ」と「フィットする素材」が重要

枕の役割は、首の骨(頸椎)を支え、頭とマットレスの隙間を埋めることです。高さが合わない枕は首に負担をかけ、寝返りを妨げるだけでなく、肩こりや頭痛の原因にもなります。

理想的な高さは、仰向けに寝た時に首のカーブを自然に支えることです。横向きに寝た時に、首の骨が背骨と一直線になる高さであることも確認しましょう。

また、寝返りを打ったときに頭が枕から落ちないよう、ある程度の横幅があるものを選んでください。素材は、頭の形に合わせてフィットしつつ、動きを妨げない適度な硬さを持つものが適しています。

意外な盲点?スムーズな寝返りを妨げない寝間着

寝具だけでなく、寝間着も寝返りのしやすさに影響します。体にフィットしすぎるデザインや、滑りにくい素材の寝間着は、体の動きを妨げる原因になります。例えば、タイトなスウェットや、生地がまとわりつきやすいパーカーなどは避けたほうが良いでしょう。

寝返りをスムーズにするためには、伸縮性のある素材や、適度にゆとりのあるデザインのものがおすすめです。

シルクやコットンのような滑りの良い天然素材は、寝具との摩擦を減らし、楽に体を動かす手助けをしてくれます。一度、今使っている寝間着を見直してみてください。

まとめ

今回は、寝返りの重要性から、回数が少なくなる原因、そして具体的な改善策までを解説しました。寝返りが少ない背景には、体に合わない寝具、日々の生活で蓄積された体の歪みや緊張が関係しています。

まずは記事で紹介したチェックリストでご自身の原因を探り、就寝前の簡単ストレッチから始めてみてください。そして、もし寝具が合っていないと感じたら、マットレスや枕の見直しを検討することが大切です。

適切な対策を行うことで、睡眠の質は大きく向上します。自然でスムーズな寝返りを取り戻し、疲れ知らずの快適な朝を迎えましょう。

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