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【睡眠改善に期待】理想的な枕の高さを知る測定方法と調整テクを解説

「朝、目覚めると首や肩がズキッと痛む」
「たっぷりと寝たはずなのに、なぜか疲れがスッキリ取れていない」
あなたも、このような辛い経験をしたことはありませんか? 長年抱えているその体の不調、もしかしたら毎日何気なく使っている枕の高さが根本的な原因かもしれません。
では、自分に合った枕の高さがどうすればわかるのか、気になりますよね。
実は、自分の理想的な枕の高さはご自宅にあるものを使って、たった1分で簡単に測定することが可能です。
本記事では、「壁を使った1分測定法」でご自身の理想の高さを知り、今お使いの枕を「タオルで調整する」応急処置など、今日からすぐに実践できる具体的な解決策をお伝えします。
最後まで読めば、スッキリと気持ちの良い朝を迎える方法が分かります。
枕の高さが合わない時に起こる体の不調3選
「最近なんとなく調子が悪い…」
この不調の原因は枕の高さが合わないことが考えられます。ここでは、枕の高さが体に合っていない時に起こりやすい、代表的な3つの悪影響をご紹介します。
慢性的な首・肩のこり・頭痛
不適切な高さの枕は、寝ている間ずっと首の筋肉に負担をかけ続けます。この緊張状態が毎日繰り返されることで筋肉は硬直し、血行が悪化。これが、朝起きた時の痛みや、日中も続く重苦しいこりの原因となり得ます。
さらにこの首周りの緊張は、緊張型頭痛を引き起こすことも少なくありません。後頭部から首筋にかけての筋肉が硬くなることで、頭全体が締め付けられるような鈍い痛みが現れます。
浅い呼吸が招く、日中のパフォーマンス低下
高さの合わない枕によって呼吸が浅くなると、睡眠中に脳へ供給される酸素が不足しがちになります。脳は体の中で最も多くの酸素を消費する器官であり、十分な酸素がなければ、睡眠中であっても完全に休息することができません。
毎晩のように脳が酸欠状態に陥ると、日中の活動に悪影響を及ぼします。具体的には、集中力の低下、思考力の鈍化、重要な局面での判断ミスなどが挙げられます。
このように睡眠の質が低下することで、気づかないうちにパフォーマンスの低下を引き起こしている可能性があるのです。
寝ても取れない疲労感
高さの合わない枕による不快感や寝苦しさは、無意識のうちに体にストレスを与えています。
一般的に、睡眠の質が低下すると、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌リズムが乱れることがあるといわれます。
本来コルチゾールは朝に増えて体を活動モードにしますが、夜間も高いままだと体がリラックスできず、深い眠りに入れません。その結果、眠りが浅くなり、脳と体が十分に休息できないのです。
理想の枕の高さは寝姿勢で変わる
理想の枕の高さは体格だけでなく、寝姿勢によっても変わります。ここでは、代表的な3つの寝姿勢それぞれに最適な枕の高さの考え方を解説します。
仰向け寝:首のカーブを埋める自然な高さ
仰向けで寝るのが多い方の場合、理想的は立っている時と同じように、首のS字カーブを自然に埋めてくれる高さの枕です。具体的には、枕に頭を乗せた時に、顔がやや下向きになり、顎が軽く引かれた自然な状態がベストです。
この状態だと、首の骨である頸椎が最もリラックスでき、呼吸もしやすくなります。後頭部から首にかけての隙間を、優しく支えてくれるような高さと形状の枕を選びましょう。
横向き寝:肩幅を考慮した少し高めの枕
横向きで寝ることが多い方は、仰向け寝の場合よりも少し高さのある枕が必要です。なぜなら、横向きになった時の頭とマットレスの間の隙間、つまり肩幅の分だけ高さを補う必要があるからです。
理想的な状態は、横向きになった時に、首の骨から背骨にかけてが一直線にまっすぐになる高さ。もし枕が低すぎると、頭が肩よりも低い位置に落ち込んでしまい、首が横に曲がってしまいます。
これが首や肩への大きな負担となり、痛みの原因になります。
うつ伏せ寝:負担を軽減できるごく低い枕
うつ伏せ寝は、首や腰への負担が大きくなりやすい傾向があるのでおすすめしません。顔を左右どちらかにねじる形になるため、一晩中、首に大きな負担がかかり続ける可能性があるからです。
もし、どうしてもうつ伏せでないと眠れないという場合は、枕を使わないか、使うとしてもごくごく低いものを選んでください。高さのある枕を使うと、首のねじれと反りがさらに大きくなり、負担が大きくなってしまいます。
自分に合った枕の高さが睡眠の質を上げる3つの理由
自分にぴったりと合った高さの枕は、単に寝心地が良いだけでなく、睡眠の質そのものを高めます。
ここではその3つの理由について、一つずつ詳しく見ていきましょう。
理由①:理想の寝姿勢を保ち、首への負担を最小限にする
自分に合った高さの枕で寝ると、寝ている間も立っている時と同じ自然な体のラインを維持することができます。私たちの頭は体重の約8%(4〜6kg)もの重さがあり、その重い頭を一晩中支えているのが首と枕です。
もし枕の高さが合っていないと、この重さが首の一部分に集中してしまいます。例えば、高すぎる枕は首が不自然に前に曲がり、逆に低すぎると顎が突き上がる姿勢になります。
どちらの状態も首周りの筋肉が緊張状態になるので、つらい肩こりの直接的な原因となるのです。
理想的な高さの枕を使い、首の骨である「頸椎(けいつい)」が緩やかなS字カーブを描くことで、頭の重さは正しく分散されます。これで首や肩の筋肉がリラックスし、朝の不快な痛みからの解放が期待できます。
理由②:自然な寝返りをサポートし、血行不良を防ぐ
最適な高さの枕は、寝返りをスムーズにするサポートをします。寝返りは体の同じ部分に圧力がかかり続けて血行が悪くなるのを防ぐ、質の高い睡眠に欠かせない生理現象です。
しかし、枕の高さが合っていないと、この大切な寝返りが妨げられます。例えば、頭が沈み込みすぎる枕や、高さが合わず首に力が入る枕では、頭を動かすのに余計なエネルギーが必要です。
その結果、寝返りの回数が減ってしまい、体の歪みや血行不良、ひいては腰痛などを招くことにも繋がります。
寝返りをサポートする適切な高さと反発力のある枕を使うことで、睡眠が中断されにくく、朝までぐっすりと眠り続けやすくなるのです。
理由③:気道を確保し、深くリラックスした呼吸を促す
正しい高さの枕を使うことで、睡眠中の気道が保たれやすくなり、深く楽な呼吸に繋がります。
呼吸は、体のすみずみまで酸素を送り届け、疲労を回復させるための非常に重要な活動です。睡眠中にこの呼吸が妨げられると、体は十分に休息できません。
特に高すぎる枕は、顎を引いた姿勢になりやすく、喉の気道を圧迫することがあります。これがいびきと浅い呼吸の原因です。逆に低すぎても、舌が喉の奥に落ち込みやすくなり、やはり呼吸を妨げます。
心身ともにリラックスした睡眠を維持するためにも、気道をしっかり確保できる高さの枕を選びましょう。
自宅で簡単1分!理想の枕の高さの測定方法
「自分に合う高さは分かったけど、具体的に何センチなの?」と思いますよね。あなたに合った理想の枕の高さの目安は、壁とメジャーさえあれば、自宅でたった1分で測定できます。
まずは、測定で使うものを3つご紹介します。
準備するもの
・壁
・メジャーまたは定規
・スマートフォン(任意)
ご家族に横から写真を撮ってもらうと、より客観的に確認できます。
測定の4ステップ
それでは、実際に測定を始めていきましょう。手順は4ステップでとても簡単です。
1.壁に立つ
まず、壁を背に「かかと」「お尻」「背中(肩甲骨)」「後頭部」の4点をつけ、まっすぐに立ちます。無理に胸を張らず、普段通りの自然な姿勢を意識してください。
2.正面を向く
視線はまっすぐ正面に向けます。顎が上がったり、下を向いたりしないように注意しましょう。
3.隙間を測る
その姿勢をキープしたまま、壁と首の一番深いカーブ部分との間にできた隙間の距離を、メジャーや定規で測ります。
4.数値を確認する
測った数値、これがあなたにとっての理想的な枕の高さの目安です。
たったこれだけで、あなたに合った枕の高さの目安が分かります。この数値を基準に枕を探せば、お店でたくさんの枕を前に迷うことも少なくなるでしょう。
測定結果の考え方と注意点
測定で出た数値は、あなたに合う枕を探すための重要な基準になります。ただし、以下の点にご注意ください。
・枕の沈み込みで高さが変わる
実際に頭を乗せると、枕の素材によって1〜2cm程度沈み込みます。そのため、測定した数値に、この沈み込む分をプラスした高さの枕を選ぶのがおすすめです。
・敷布団やマットレスの硬さに合わせる
体が沈み込む柔らかいマットレスを使っている場合は、目安よりも少し低めの枕が合うこともあります。
ただし、この測定方法はあくまで目安です。実際の使用感を重視して最終調整を行ってください。
今夜から試せる!合わない枕の高さを調整する応急処置テクニック
理想の高さが分かっても、すぐに新しい枕を買いに行くのが難しい方もいらっしゃるでしょう。そこで、今お使いの枕でも、身近なものを使って高さを調整する方法をご紹介します。
枕が高すぎる場合の調整方法
お使いの枕が高すぎると感じる場合、まずは枕の中材が取り出せるか確認してください。パイプやわたなどの枕であれば、少しずつ量を減らして高さを調整するのが一番簡単です。
中材が取り出せない場合は、背中から肩にかけての部分にバスタオルなどを敷きましょう。こうすることで上半身全体を少し持ち上げることができ、相対的に枕の高さを下げたのと同じような効果が得られます。
枕が低すぎる場合の調整方法
枕が低いと感じる場合は、最も手軽で効果的なのがタオル調整法です。やり方は、枕の下に折りたたんだバスタオルやハンドタオルを敷くだけです。
ポイントは、一枚ずつ丁寧に重ねていくこと。まずは一枚敷いて寝てみて、まだ低いと感じたらもう一枚追加する、というように微調整していきます。この方法で自分にぴったりの高さを探してみてください。
まとめ
今回は、快適な睡眠に欠かせない理想の枕の高さについて、詳しく解説してきました。
・自分に合った枕は、理想の寝姿勢を保ち、寝返りを助け、深い呼吸を促す
・枕が合わないと、首肩こりやいびき、疲労感の原因になり得る
・理想の高さの目安は、壁を使って「首のカーブの深さ」を測ることで分かる
・今ある枕でも、タオルを使えば簡単にある程度の高さ調整が可能
人は睡眠に人生の約3分の1もの時間を使います。つまり自分にぴったりの枕を見つけ、睡眠の質を高めることは、人生の豊かさにもつながるということです。
この記事を参考に、さっそく自分にぴったりの枕を探してみましょう。
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