社会人の平均睡眠時間は?忙しくても理想的な眠りを実現する方法

社会人の平均睡眠時間は?忙しくても理想的な眠りを実現する方法

「6時間睡眠でも大丈夫なのかな…」
「日中眠くて仕事に集中できない…」
「周りの人はどれくらい寝てるんだろう?」

もしあなたがこんな悩みを抱えているなら、その原因は睡眠について正しい知識を知らないからかもしれません。

多くの社会人が「時間がないから」と睡眠を後回しにしがちですが、実は睡眠不足こそが仕事の効率を下げ、より忙しい毎日の原因となっているのです。

この記事では、社会人の睡眠時間の実態から、当に必要な睡眠時間、睡眠不足が体に与える影響、そして忙しい毎日でも質の高い睡眠を確保する方法まで、今夜から実践できる内容をご紹介します。

ぜひ参考にして、あなたの睡眠習慣を見直してみてください。

社会人の平均睡眠時間はどのくらい?

「周りの人はどれくらい睡眠時間を取っているのだろう?」と気になったことはありませんか。実際のデータを見てみると、日本人の睡眠時間は世界的に見ても非常に短いことが分かります。

比較対象

睡眠時間

備考

世界33か国
(OECD調査2021年)

7時間22分

33か国中、日本は最短

日本人全体
(総務省調査2021年)

7時間54分

10歳以上の全国平均

社会人全体
(厚生労働省調査2023年)

6時間30分

男女の約4割が6時間未満

表をご覧いただくと分かる通り、社会人の平均睡眠時間は6時間30分です。世界平均の7時間22分と比べると約1時間も短く、日本全体の平均7時間54分と比べても1時間以上短くなっています。

さらに注目すべきは、男性の38.5%、女性の43.6%が6時間未満しか眠れていないという点です。つまり、働く世代の約4割が慢性的な睡眠不足の状態にあるということです。

社会人に必要な「理想の睡眠時間」とは

睡眠の専門家が推奨する「理想的な睡眠時間は7時間」です。

現在の社会人の平均睡眠時間「6時間30分」は、理想より30分も短い状態です。たった30分の違いですが、この差が体調や仕事のパフォーマンスに大きく影響します。

7時間睡眠で得られる効果

・記憶力と集中力がアップする
・免疫力が高まり、風邪をひきにくくなる
・ストレスに強くなり、イライラが減る
・代謝が良くなり、太りにくくなる

「仕事が忙しくて7時間も眠れない」と感じる方も多いかもしれませんが、十分な睡眠を取ることで集中力や判断力が向上し、作業効率がアップします。

また、「私は5時間でも平気」という方もいらっしゃいますが、真のショートスリーパーは人口のわずか5%未満。ほとんどの方は短時間睡眠に慣れただけで、実際には体にダメージが蓄積している可能性があります。

睡眠不足がもたらす5つの健康問題とNG習慣

睡眠不足は、あなたが思っている以上に体と心に大きな影響を与えています。

ここでは、多くの方がやりがちなNG習慣とともに、睡眠不足がもたらす5つの健康問題をご紹介します。

1. 仕事の効率が下がる

よくあるNG習慣:仕事が終わらず、サービス残業が当たり前になっている

このような長時間労働で睡眠時間が削られると、睡眠不足によって脳の働きが悪くなってしまいます。

睡眠不足が続くと、集中力や判断力、記憶力といった脳の重要な機能が低下します。

・いつもなら5分で終わる作業に10分かかる
・大事な会議で良いアイデアが浮かばない
・同じミスを何度も繰り返してしまう

6時間以下の睡眠が2週間続くと、お酒を飲んで酔っ払った状態と同じくらい頭の働きが悪くなることが研究で明らかになっています。「ちょっとずつ睡眠を削っているだけ」のつもりが、仕事中に酔っ払っているのと同じ危険な状態になっているかもしれません。

2. 風邪やインフルエンザにかかりやすくなる

よくあるNG習慣:平日の睡眠不足を土日の寝だめで帳消しにしようとする

残念ながら、寝だめでは睡眠不足は解消できません平日6時間、週末10時間のような不規則な睡眠は、体内時計を大きく狂わせてしまいます。

体内時計が乱れると、免疫システムも一緒に混乱します。本来なら夜中に活発になるはずの免疫細胞が、正しいタイミングで働けません。

その結果、規則正しく睡眠を取っている人と比べて、寝だめに頼る生活のほうが風邪をひきやすくなります。

「忙しい時こそ体調を崩せない」と思うなら、まずは規則正しい睡眠を心がけることが一番の予防法です。

3. 肥満・糖尿病リスクが高まる

よくあるNG習慣:Netflixを見てたら止まらなくて、結局夜中の2時に就寝

夜更かしで睡眠時間が短くなると、食欲をコントロールするホルモンのバランスが崩れてしまいます。睡眠不足になると、体の中で以下のような変化が起こります。

・お腹が空いたと感じる「グレリン」というホルモンが増える
・お腹いっぱいと感じる「レプチン」というホルモンが減る

この結果、常に空腹感を感じるようになり、食べても満足感が得られません。さらに、夜遅くに食べたものは脂肪として蓄積されやすく、太りやすくなってしまいます。

「最近太ってきたな…」と感じている方は、食事制限の前に睡眠時間を見直してみませんか?

4. うつ・不安障害などメンタル不調のリスクが上昇

よくあるNG習慣:寝る直前まで仕事のメールやLINEをチェックしている

スマホの明るい画面は脳を興奮させ、仕事やプライベートの心配事がさらに頭の中をグルグル回ってしまいます。その結果、なかなか眠れずに睡眠不足が続いてしまうのです。

睡眠不足が続くと、脳の感情をつかさどる部分が過敏になり、些細なことでもイライラしたり、不安を感じやすくなってしまいます。

「最近、ちょっとしたことで落ち込む」「理由もなく不安になる」という症状がある方は、寝る前のスマホ習慣を見直してみてください。

5. 長期的な睡眠不足は認知症リスクも

よくあるNG習慣:「お酒を飲んだ方がよく眠れる」と思って毎晩晩酌している

長期的な睡眠不足が続くと、将来的に認知症のリスクが高まることをご存知でしょうか?

睡眠中、脳では日中に溜まった老廃物を洗い流す大切な作業が行われています。しかし睡眠不足が続くと「脳のお掃除」が十分にできず、老廃物がどんどん蓄積していきます。

特に注意したいのが、晩酌による睡眠不足。アルコールを飲むと寝つきは良くなるものの、夜中に何度も目が覚めて浅い眠りになり、結果的に睡眠の質が低下してしまいます。

毎晩の晩酌で慢性的な睡眠不足が続くと、脳に老廃物が蓄積して認知症のリスクが高まる恐れがあります。

「まだ若いから大丈夫」と思わず、今のうちから質の良い睡眠を心がけることが大切です

忙しい社会人が睡眠時間を確保する5つの方法

「睡眠の大切さはわかるけど、忙しくて時間が取れない…」

そんな忙しい社会人に向けて、今日から実践できる睡眠時間を確保する方法をご紹介します。どれも今日からすぐに始められる簡単なものばかりです。

1. 帰宅後の「なんとなく」の時間を睡眠にあてる

帰宅後、「とりあえずテレビをつける」「なんとなくスマホを見る」という時間はありませんか?

この「なんとなく時間」を見直すだけで、30分〜1時間の睡眠時間が確保できます。

今日から始められる方法

・帰宅後の自由時間に22時までと制限時間を設ける
・SNSや動画視聴に15分だけとタイマーをかける
・「ながら見」をやめて、集中して楽しむ

例えば、YouTubeを「なんとなく1時間」見るのを「15分だけ集中して見る」に変えてみてください。残りの45分を睡眠に回せば、翌日のスッキリ感が全然違います。

2. 寝る1時間前はスマホをオフにする

寝る前に「あと5分だけ」とスマホを見続けてしまう時間はありませんか?

スマホの明るい画面を見ていると、脳が「まだ昼間だ」と勘違いしてなかなか眠れなくなってしまいます。この「寝る前スマホ時間」をなくすだけで、スムーズに眠りにつけるようになります。

今日から始められる方法

・スマホを寝室に持ち込まず、充電はリビングで行う
・寝る1時間前からはスマホの電源をオフにする
・どうしても使う場合は、ブルーライトカットモードを活用する

寝る前にスマホを見る代わりに、軽い読書やストレッチをしてみませんか?最初は物足りなく感じるかもしれませんが、より深く眠れるようになります。

3. 朝の準備は夜に済ませ、朝の時間を確保する

朝起きてから「あれがない、これがない」とバタバタしてしまうことはありませんか?

朝の準備を前日の夜に済ませておくと、朝の時間に余裕が生まれ、もう少しゆっくり眠れるようになります。

今日から始められる方法

・明日着る服を選んで準備しておく
・カバンに必要なものを入れておく
・持ち物を玄関近くに置いておく

朝の10分間の準備を夜のうちに済ませるだけで、朝に余裕が生まれます。慌てることなく一日をスタートでき、心も落ち着いて過ごせるでしょう。

4. 昼間に15分の仮眠をとる

午後になると眠くて仕事に集中できないことはありませんか?

短時間の仮眠は夜の睡眠を邪魔せず、午後のパフォーマンスを大幅にアップさせてくれます。

今日から始められる方法

・昼寝の時間は15分程度にとどめる
・完全に眠れなくても、目を閉じて休むだけでOK
・車の中や会議室など静かな場所を見つける

昼休みの15分を仮眠に使うだけで、午後の眠気がスッキリ解消されます。集中力も回復して、夕方まで効率よく仕事を進められるようになるはずです。

5. 家族やパートナーに「睡眠宣言」をする

睡眠習慣を変えようと思っても、一人だとなかなか続きませんよね。

周りの人に協力してもらうことで、睡眠習慣の改善が成功しやすくなります。

今日から始められる方法

・22時以降はLINEの返信をしないと伝える
・23時には寝るようにしたいので協力してもらう
・週に3回は7時間睡眠を目指すと宣言する

家族に「今日から11時には寝るようにする」と宣言することから始めてみませんか?宣言することで自分の意識も変わりますし、家族も協力してくれるようになります。

あなたに最適な睡眠時間を見つける3つの方法

「7時間が理想って言われても、自分に本当に合ってるのかな?」

そんな疑問をお持ちの方のために、あなただけの「ベストな睡眠時間」を見つける方法をご紹介します。

1. 睡眠日誌をつけて自分の傾向を知る

まずは2週間、あなたの睡眠を記録してみましょう。

記録するポイント

・寝た時間と起きた時間
・睡眠の満足度
・日中の眠気の強さ
・集中力の続き具合
・その日の気分

スマホのアプリ(iPhoneのヘルスケアやAndroidのGoogle Fitなど)を使えば、簡単に記録できます。

2週間続けると、◯時間寝た日は調子が良い」「◯時間だと午後に眠くなる」といったパターンが見えてきます。

2. 朝の目覚めの感覚を大切にする

理想的な睡眠時間とは、朝自然に目が覚めて、「今日も頑張ろう!」と思える時間のことです。

自然な目覚めを確認する方法

・金曜と土曜の夜は、目覚まし時計をセットしない
・目覚めた時の体の軽さや気分を観察する
・何時間眠ったかを記録する

この「自然な目覚め」の時間が、なたの体が本当に求めている睡眠時間です。平日でもこの時間を確保できるよう、生活リズムを調整してみましょう。

3. 日中のパフォーマンスから逆算する

どれくらい眠れば「最高のパフォーマンス」が発揮できるかを試してみましょう。

パフォーマンスの変化を記録する

・仕事がどれくらい進んだか
・集中力がどのくらい続いたか
・全体的な気分やエネルギーの状態

1週目は今の睡眠時間で記録し、2週目は30分増やして同じ項目を記録、3週目はさらに30分増やして記録してみてください。この方法を通じて、あなたが最もパフォーマンスを発揮できる睡眠時間が見つかります。

まとめ|睡眠時間を見直して、仕事も生活も充実させよう

この記事では、社会人の睡眠時間の実態から、理想的な睡眠時間、睡眠不足の健康への影響、そして忙しい毎日でも実践できる睡眠時間確保の方法をご紹介しました。

睡眠不足が引き起こすのは、日中の眠気だけではありません。仕事の効率低下や免疫力の低下、メンタル不調、さらには将来の認知症リスクまで高めてしまいます。

忙しい中でも、少しの意識変化で睡眠時間は確実に増やせます。

今夜から始められる3つのこと

1.寝る1時間前にはスマホをオフにして、リラックスタイムを作る
2.帰宅後の「なんとなく」時間を見直して、睡眠時間に回す
3.睡眠日誌をつけて、自分に最適な睡眠時間を探してみる

睡眠は人生の3分の1を占める大切な時間。睡眠の質を高めることで、毎日がより豊かになるはずです。

今夜から、あなたの睡眠習慣を見直してみませんか?理想的な睡眠で、充実した毎日をお過ごしください。

Share

  • SNSをフォローする