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カフェインは睡眠にどう影響する?就寝6時間前に控えるべき理由とは

「日中の集中力維持のためにコーヒーが欠かせない」
しかし、夜になると目が冴えてなかなか寝付けないと感じていませんか。
デスクワークの合間に飲む一杯が、知らず知らずのうちに睡眠の質を低下させているかもしれません。良質な睡眠は、翌日のパフォーマンスに直結する重要な要素です。
この記事では、カフェインが睡眠に与える具体的なメカニズムから、体に影響を及ぼす時間、そして体質による効き方の違いまでを詳しく解説します。
自身の体質や生活リズムに合わせたカフェインとの上手な付き合い方を理解し、毎日の睡眠を質の高いものへ変えていきましょう。
カフェインが睡眠に与えるメカニズム
カフェインには眠気を抑制し集中力を高める効果がありますが、一方で睡眠の質を低下させる作用も働いています。
ここでは、カフェインが私たちの脳や体にどのように作用し、眠りを妨げるのか、その科学的なメカニズムを詳しく解説します。
カフェインが睡眠に与える影響とは
国内医療の研究では、カフェインは、脳内で眠気を誘発するアデノシンという物質の働きを阻害し、眠りにくさせるとわかっています。
本来、アデノシンは脳内に蓄積され、アデノシン受容体と結合することで心身をリラックスさせ、自然な眠りへと導きます。しかし、カフェインがアデノシン受容体と先に結合してしまうと、アデノシンが機能できなくなり、脳が覚醒状態となってしまうのです。
さらに、カフェインは睡眠の質、特に最も深い眠りであるノンレム睡眠を減少させる作用を持ちます。ノンレム睡眠は、脳と体の疲労回復に不可欠な時間です。そのため、深い眠りが妨げられると、たとえ睡眠時間を確保しても、朝起きた時に疲れが残っている感覚になります。
結果として、入眠が遅れるだけでなく、睡眠全体の質が低下し、日中のパフォーマンスにも影響を及ぼす恐れがあります。
カフェインの作用とは
カフェインには、主に以下の作用があります。
・眠気を覚ます覚醒作用
・交感神経を優位にし心拍数を上げる興奮作用
・尿の排出を促す利尿作用
カフェインが持つ代表的な作用は、中枢神経を刺激することによる覚醒効果です。カフェインを摂ると眠気が抑制され、集中力や注意力が一時的に向上します。そのため、デスクワークや勉強の際に、集中力を高める目的でコーヒーやエナジードリンクを飲むと一定の効果を得られるでしょう。
また、カフェインは交感神経を優位にする働きも持っています。交感神経が活発になると、心拍数や血圧が上昇し、体は活動モードに入ります。これにより、例えば眠気に襲われがちな午後の会議を乗り切ったり、複雑な資料作成に集中できたりと、パフォーマンスの向上を感じられるでしょう。
ほかにも、カフェインには腎臓の血管を拡張させて尿の生成を促す利尿作用や、胃酸の分泌を促進する作用があります。
カフェインにはさまざまな作用がある一方で、効果がいつ高まり、どのくらい続くのかを理解しておかないと、知らないうちに睡眠の質の低下につながります。
カフェインのピークと持続時間
摂取してからの時間経過とともに、体内のカフェイン量と体感がどのように変化するのか、以下の表で見ていきましょう。
摂取後の経過時間 |
体内のカフェイン量(目安) |
影響・体感 |
0〜30分 |
徐々に上昇中 |
覚醒効果が出始める、眠気が軽減 |
30分〜2時間 |
100%(ピーク) |
集中力・注意力の向上、心拍数上昇 |
4〜6時間 |
約50%(半減期) |
効果が残り、寝付きに影響することも |
8時間 |
約25% |
覚醒作用は弱まるが敏感な人は影響あり |
最大10時間 |
微量が残存 |
深夜まで睡眠の質を下げる可能性 |
参考:カフェインと睡眠|NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター
カフェインを摂取してから体内でその効果が最も高まるのは、一般的に30分~2時間後です。
一方で、カフェインの効果が半分に減少するまでの時間(半減期)は、健康な成人で約4〜6時間とされています。つまり、午後3時にコーヒーを一杯飲んだ場合、夜9時頃でもカフェインの半分がまだ体内に残っている計算です。
カフェインが完全に体内から排出されるまでには、個人差はありますが最大で10時間ほどかかる場合もあるため、睡眠に影響を及ぼす大きな要因になります。
夜遅い時間にカフェインを摂取すると、就寝時間になっても覚醒作用が続き、寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。その結果、翌朝の眠気や疲労感へとつながる悪循環を生んでしまうのです。
効きやすい人の特徴とは?
カフェインの効きやすさには個人差があり、主に以下のような特徴を持つ人は影響を受けやすいとされています。
・遺伝的にカフェインの分解が遅い
・普段カフェインを摂らず耐性が低い
・体重が軽くストレスを感じやすい
まず遺伝的な体質として、カフェインの代謝に関わる「CYP1A2」という肝臓の酵素の働きが弱い人がいます。このような人はカフェインを分解するスピードが遅いため、体内に長く留まり、影響を強く受けやすいです。
また、普段からコーヒーやお茶などをあまり飲まず、カフェインを摂取する習慣がない人も、感受性が高いといえます。日常的に摂取していると体に耐性ができて効果を感じにくくなりますが、摂取頻度が低いと少量でも強い覚醒作用を感じることがあります。
その他、体重が軽い人は血中濃度が上がりやすく、影響が出やすいです。ストレスを感じやすい人も、自律神経が乱れがちなため、カフェインの刺激に敏感に反応することがあるので注意が必要でしょう。
逆にカフェインを摂ると眠くなる理由
カフェインを摂ったはずなのに、かえって眠気を感じてしまう人もいます。実は体の中で起きている反動や、カフェイン以外の要素が関係しています。
ここでは、覚醒のために摂ったカフェインが眠気を引き起こす2つの主な理由を解説します。
反動で眠気を感じるため
カフェインを摂取すると一時的に眠気が覚めますが、その効果が切れると、かえって強い眠気に襲われることがあります。これは、カフェインによってブロックされていた眠気物質アデノシンが、一気に働き出すために起こるリバウンドのような眠気です。
カフェインがアデノシン受容体と結びついている間も、脳内ではアデノシンの蓄積が続いています。そして、カフェインの効果が薄れて受容体から離れると、溜まっていた大量のアデノシンが受容体に結合し、急激で強力な眠気を引き起こすのです。
この急激な眠気は、長時間の覚醒状態を維持した体からの、休息を求めるサインかもしれません。無理に覚醒状態を続けた反動から、本来の睡眠リズムを乱す原因となる可能性もあります。
反動で眠気を感じる場合には、日中のパフォーマンスが低下しないよう、摂取するタイミングや量に注意しましょう。
脱水や血糖低下による影響
カフェインを摂取した後に眠気を感じる原因として、利尿作用による水分不足が考えられます。
カフェインは腎臓の働きを活発にし、尿の量を増やすため、体内の水分が排出されやすくなります。水分が不足すると、体は疲労感や倦怠感を覚え、それが眠気として感じられることがあります。
また、コーヒーに砂糖を入れて飲む習慣がある場合、血糖値の変動も眠気の要因です。砂糖を摂取すると血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンが分泌されます。このインスリンの働きで血糖値が急降下する際に、脳のエネルギーが不足し、眠気や集中力の低下を招くことがあります。
このように、カフェインそのものの作用だけでなく、利尿作用による脱水や、一緒に摂取する糖分による血糖値の乱れが、予期せぬ眠気を引き起こしている可能性も考えられるでしょう。
カフェインを摂ってしまった場合の対処法
夕食後や夜遅くにうっかりコーヒーを飲んでしまい、目が冴えて眠れない夜は誰にでも起こり得ます。
ここでは、体内に残るカフェインの影響を和らげ、穏やかな入眠を促すための具体的な対処法をご紹介します。
体温調整で入眠しやすくする
就寝前にカフェインを摂ってしまい寝付けない場合、体温を整えると眠りやすくなります。
人は体内部の深部体温が下がる際に自然な眠気を感じます。そのため、就寝1〜2時間前にぬるめのお湯での入浴やシャワーを浴びるのがおすすめです。一時的に体温を上げることで、その後の体温が下がりやすくなり、眠りやすい状態を作り出せます。
熱すぎるお湯は交感神経を刺激してしまい逆効果になるため、38〜40度程度のお湯が最適です。
また、体の熱をスムーズに外へ逃がすためには、寝室の室温を快適な涼しさに保つことも重要です。室温が高いと、体から熱がうまく放出されず深部体温が下がりにくくなるため、少し涼しいと感じる程度の温度設定を心がけましょう。
水分と運動で体内からカフェインを抜く
カフェインを摂取しすぎてしまった際は、排出を促し影響を和らげましょう。
カフェインは肝臓で分解され、最終的に尿として体外に排出されるため、水分を多めに摂取することが重要です。水をしっかり飲むことで、腎臓での尿の生成が促進され、カフェインの体外への排出を早めることができます。
また、軽い運動を取り入れるのも一つの方法です。ウォーキングやストレッチなどの軽い有酸素運動は、血行を促進し、全身の代謝を高めます。代謝が活発になることで、肝臓でのカフェイン分解も効率化され、体内からの排出をサポートします。
ただし、激しい運動は交感神経を刺激して覚醒させてしまうため、あくまでリラックスできる程度の軽い運動にとどめることが大切です。
マットレスや枕で睡眠環境を整える
カフェインの影響で寝付きにくい夜でも、快適な睡眠環境を整えることで入眠をサポートできます。
特に、体に直接触れるマットレスや枕は、睡眠の質を左右するため重要です。カフェインによる覚醒作用を少しでも緩和し、質の高い休息を得るためには、寝具を見直すことが有効な対策となります。
例えば、自分の体圧に合ったマットレスを選ぶことで、体への負担が軽減され、リラックスした状態を保ちやすくなります。寝返りがスムーズに打てるマットレスは、血行を妨げず、睡眠中の不快感を減らします。
また、首や肩にフィットする枕を選ぶことも、深い眠りには不可欠です。適切な高さと硬さの枕は、気道を確保し、いびきを防ぐとともに、首周りの筋肉の緊張を和らげます。
高品質なマットレスや枕をお求めであれば、ぜひミネルヴァスリープの寝具を一度チェックしてみてください。
まとめ|カフェインは就寝6時間前にストップしよう
この記事では、カフェインが睡眠に与える影響やそのメカニズム、そして対処法について解説しました。質の高い睡眠を確保するためには、カフェインとの上手な付き合い方を理解することが大切です。
本記事のまとめは以下となります。
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カフェインは眠気を誘発するアデノシンの働きを阻害し、深い眠りを減少させる
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効果の半減期は約4〜6時間のため、就寝6時間前までの摂取が望ましい
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遺伝や耐性の有無によって、カフェインの効きやすさには個人差がある
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遅めに摂取してしまった場合は、水分補給や入浴で代謝を心がける
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快適な寝具で睡眠環境を整えることも大切である
さらに、体に合ったマットレスや枕を選ぶことは、睡眠の質を根本から改善するための重要な投資です。毎日の疲れをしっかりとリセットし、すっきりとした朝を迎えるために、ミネルヴァスリープの寝具で、睡眠環境の見直しも検討してみてください。
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